野菜はじっくり焼くことで、素材の持ち味が引き出され、凝縮したうま味を楽しむことができます。
最年少野菜ソムリエプロとして活躍する緒方湊くんに、焼いておいしい旬の野菜と上手な焼き方を教えてもらいました!
東は白ネギ、西では青ネギが主流
皆さんは、ネギと言えば、どんなネギをイメージしますか?
まず、東日本でネギと言えば「白ネギ(根深ネギ・長ネギ)」を指します。
ネギの白い部分は、土を寄せて日光を当てない“軟白栽培”によるもので、生は辛味が強く、加熱すると甘くなるのが特徴です。
一方、西日本では「青ネギ(葉ネギ)」が主流です。緑の部分が多く、香りも楽しめます。
こうした違いは、関東ローム層のやわらかい土壌の関東では、白ねぎ(根深ねぎ)が栽培しやすいというのが理由の1つとして考えられています。
ホイル焼きにおすすめのネギ
さまざまな品種があるネギですが、ホイル包み焼きには、白ネギがおすすめです!
中でもおすすめは、ブランドネギとしても有名な群馬県下仁田町の「下仁田ねぎ」。肉質がやわらかく加熱するとろりとした食感で甘くなります。
もう一つは、埼玉県深谷市の「深谷ねぎ」。白い部分が長めで糖度が高いのが特徴です。
僕のイチオシは、栃木市吹上地区の宮町を中心に栽培されている「宮ねぎ」(別名ダルマねぎ)です。加熱すると溶けてしまうほどトロトロになり、ネギとは思えないほどの甘みを楽しめます。
アレンジしたネギホイル包み焼きもおいしい
生では辛味の強いネギですが、加熱することで辛味成分が揮発し、もともと含まれていた甘みが強く感じられるようになります。
辛味成分は細かく切るほど出てくるので、大きめに切ったネギをじっくり加熱できるホイル焼きなら、甘みをしっかり引き出すことができ、トロトロ食感も楽しめます。ホイルに溜まったネギから出た水分もおいしいので、残さないでくださいね。
塩とオリーブオイルをかけてからホイル焼きしたのはもちろん、ベーコンを一緒に包んで焼いてもおいしいです。
ネギの上にサーモンやきのこをのせて、味噌と酒をかけてホイル包み焼きすれば「簡単ちゃんちゃん焼き」にもなりますよ!
◇湊くんおすすめの食べ方◇
ホイル焼きにしたネギをマリネ液に漬けた、ネギマリネもおすすめです。
焼いたパプリカやズッキーニなども一緒に入れると彩りもきれいで、食べ応えもでますよ。
根元を見て選ぶ!青い部分は捨てないで
ネギを選ぶ際は、根元をチェックしてください。
ネギは根の上の部分に養分をためるので、根元がラッキョウのように丸く膨らんでいるものは、栄養たっぷりの証拠。辛味も少なく食べやすいネギです。
また、ネギの白い部分は淡色野菜ですが、青い部分はβ―カロテンなどの栄養が豊富な緑黄色野菜に分類されています。
青い部分は捨てずに、「ネギ油」にしてみてください。ネギの風味とうま味が溶け込んだ油は、炒め物に最適ですよ。