野菜はじっくり焼くことで、素材の持ち味が引き出され、凝縮したうま味を楽しむことができます。
最年少野菜ソムリエプロとして活躍する緒方湊くんに、焼いておいしい旬の野菜と上手な焼き方を教えてもらいました!
加熱で辛味が消えて、甘みが引き立つ
タマネギは常備野菜の定番!独特の刺激臭や辛味をもっていますが、加熱すると味わいも香りも甘くなるのが魅力ですよね。
もともとタマネギは糖度が高い野菜ですが、生の状態では辛味成分が勝り、甘みを感じられません。
しかし、加熱することで、辛味成分が揮発してしまうので、本来の甘みが引き立つのです。
炒め物やカレー、煮込みなどでも甘いタマネギは楽しめますが、トロトロジューシーな食感も楽しむなら「ホイル包み焼き」がおすすめです。
新タマネギならトロトロ食感に!
3~5月には、店頭に「新タマネギ」が出始めます。
最近では、扁平な形をした“新タマネギ用の品種”も見かけるようになりました。
一般的に出回っているタマネギは、収穫後1カ月ほど乾燥させてから出荷されますが、新タマネギは3~4月に早取りしたものを乾燥させずに出荷しているので、みずみずしく柔らか。辛味も少ないのが特徴です。
実の一枚一枚(鱗葉)に厚みがあり、水分をたくさん含んでいるので、ホイルに包んで蒸し焼きにすると、トロトロになります。
もちろん、通常のタマネギもおすすめです!
辛みが強く、乾燥させているので水分が少なく実は硬めですが、加熱すると新タマネギよりしっかりした甘みが出ます。型崩れしにくいのも魅力です。
どちらもおいしいので、季節やお好みでお試しくださいね。
[基本のたまねぎホイル包み焼きの作り方]
◇丸ごと焼く場合
①タマネギの上下を切り、十字に包丁で切り込みを入れる。
②塩・コショウをして、バターをのせる(パルメザンチーズをかけてもおいしい)。
③アルミホイルでぴったり包み、オーブントースターで20~30分焼く。
タマネギは何にでも合うので、ほかの野菜や魚介などと一緒に包んで焼くのもおすすめです。
切り方も1/2や串切りなど、お好みの大きさにしてください(加熱時間は丸ごとより短縮できます)。
◇湊くんおすすめの食べ方◇
上下を切った丸ごとタマネギの、上部を少しえぐるように穴を開けます。その穴に、バターとコンソメ(顆粒)を入れて、ホイル包み焼きに(少し長めに40分くらい加熱)。トロトロジューシーになったタマネギに、バターとコンソメ風味がしみこみ、オニオンスープのような味わいを楽しめますよ♪
成長点には栄養がたっぷり!皮も使える!?
タマネギの芯を取りのぞいていませんか?
ここは、芽として伸びようとしている“成長点”と呼ばれる部分で、栄養がたっぷりつまっています。
芯が芽になり始めていても、取り除かずに食べましょう。
また、タマネギの皮には「ケルセチン」という抗酸化作用のある成分が含まれています。
最近では、タマネギの皮のお茶や、皮とほかの野菜を一緒に煮出した“野菜だし”が注目されています。
捨てずに、ぜひ活用してみてくださいね。