野菜はじっくり焼くことで、素材の持ち味が引き出され、凝縮したうま味を楽しむことができます。
最年少野菜ソムリエプロとして活躍する緒方湊くんに、焼いておいしい旬の野菜と上手な焼き方を教えてもらいました!
蒸し焼きで豆がふっくら、ぷりっと仕上がる!
枝豆の食べ方と言えば、“茹でる”が定番ですが、「ホイル包み焼き」も試してみませんか。
ホイル包み焼きは枝豆に含まれている水分で蒸すので、水っぽくならず、豆がふっくらと仕上がります。
さらに茹でる・煮るとは違い、プリっとした食感も楽しめます。
また、枝豆に含まれるうまみ成分・グルタミン酸は50~60℃で加熱することで増えるので、熱をじっくり豆に伝えるホイル包み焼きなら、うま味をしっかり引き出すことができます。
[基本の枝豆ホイル包み焼きの作り方]
新鮮な枝豆には産毛がたくさん付いていますので、産毛が多いものを選ぶようにしましょう。
また、枝豆は収穫後も呼吸をしており、豆に蓄えた養分が使われてしまいます。
風味も落ちてしまいますので、購入後はすぐに加熱調理してくださいね。
①枝豆も塩もみして、産毛を洗い流す(口当たりがよくなり、塩味もつきます)。
②ホイルに包んで、オーブントースターで約15分加熱する。
◇湊くんおすすめの枝豆◇
何といっても塩で食べるのがおすすめです。
豆のうま味・甘みをしっかり感じ取ることができますよ!
アレンジを楽しむなら、オリーブオイルと塩・鷹の爪をふりかけ、ペペロンチーノ風をお楽しみください。
品種もいろいろ!食べ比べも楽しい
ここ数年で、さまざまな種類の枝豆が店頭に並ぶようになりました。
枝豆は「青豆」「茶豆」「黒豆」の3種類に大きく分けられます。
青豆
国内で最も多く流通している種類です。クセがなく、サヤも豆もきれいな緑色をしています。
サヤに白色の産毛があるので、白毛豆ともいいます。定番品種は「サッポロミドリ」。
「湯あがり娘」「おつな姫」は、青豆なのに茶豆のようなコクが味わえるとあって人気です。
茶豆
サヤの中の薄皮が茶色の枝豆で、主に東北地方で栽培されています。サヤに茶色い産毛があるものもあります。
青豆よりも香りと甘みが強いのが特徴で、有名な「だだちゃ豆」のほかに「黒埼(くろさき)茶豆」「肴(さかな)豆」などもあります。
黒豆
黒大豆を若採りしたもので、サヤの中の薄皮が黒味を帯びている枝豆です。主に関西地方で栽培されています。
黒豆ならではの深い甘味が特徴です。丹波の黒豆や、「紫ずきん」「丹波篠山黒大豆」などがあります。
僕のお気に入りは、青森県の津軽地方の在来種「毛豆」です。
青豆の一種で、茶色の産毛にびっしり覆われているのが特徴で、香りと甘みが強く、栗のような味わいが楽しめます!
9月中旬~10月上旬の短期間しか手に入らない希少な枝豆ですが、見つけたらぜひお試しください。
ホイル包み焼きなら栄養も逃さない!
枝豆は大豆が完熟する前に収穫したものなので、大豆と同様、たんぱく質が豊富です。
ほかにも、ビタミンB1・B2、葉酸、カリウムが豊富。
さらには、肝機能を高める働きをするオルニチン(しじみでお馴染みの成分です)も含まれています。
これらの成分は水に溶けやすい性質なので、ホイル包み焼きにすれば流出を防ぐことができますよ。
この夏は、ホイル包み焼きでおいしさと栄養たっぷりの枝豆をたくさん食べてくださいね!