野菜はじっくり焼くことで、素材の持ち味が引き出され、凝縮したうま味を楽しむことができます。最年少野菜ソムリエとして活躍する緒方湊くんに、焼いておいしい旬の野菜と上手な焼き方を教えてもらいました!
日本で親しまれてきた根菜
ごぼうは、日本で昔から親しまれてきた根菜です。
かつてゴボウを食すのは日本だけでしたが、近年はアジア諸国をはじめ欧米でも健康志向の高まりから日本食が注目され、食べる人が増えてきました。
ごぼうの魅力はなんといっても、独特の香りと歯ごたえです。
炒めてシャキシャキ、煮物でしんなり、揚げてカリっとなるように、調理法によってさまざまな食感が楽しめます。
さらに、「千切り」にするとシャキシャキ、「ささがき」はしなやかに、「乱切り」ではふっくらホクホクになるなど、切り方によっても食感が変わるので、幅広いおいしさを楽しむことができます。
ホイル包み焼きでしっとり食感と香りが活きる!
そんなごぼうの魅力を最大限に引き出して味わえるのが、「ホイル包み焼き」です!
オーブンでそのまま焼く場合は、水分が飛んで繊維質の強い食感になってしまいますが、ホイル包み焼きなら、水分が保たれるので、外はカリッ、中はしっとりした食感に仕上がります。香りも逃がしません!
大きめに切ってもやわらかくなるので、ごぼうそのものを食べている楽しさも味わえますよ。
[基本のごぼうホイル包み焼きの作り方]
ごぼうを5㎝ほどのぶつ切りにして塩少々をふりかける。
※アレンジで、塩をかけた後に、オリーブオイルまたは味噌マヨネーズを塗って焼いてもOK
※小さなお子さんが食べる場合は、ゴボウをたたいて繊維を壊してから切ると、熱が通りやすくなりやわらかくなります。
また、ゴボウを切ると切り口から褐色に変色するのはポリフェノール類が空気に触れ酸化しているからです。ポリフェノールは、体内で抗酸化作用などの働きをするので、できればアクをとらずに調理しましょう。
◇湊くんおすすめの食べ方◇
甘辛いタレを入れて包み焼きにすると、八幡巻き風が楽しめます。
また、味付けをせずに包み焼きしたごぼうに、西京味噌ベースやクリームチーズベース、明太マヨなどのディップをつけていただくのも楽しいですよ!
肉や魚をプラス!脂のコクがごぼうとマッチ
ごぼうは、魚介や肉と相性がいい食材です。
魚や肉に含まれる脂やうま味をごぼうが吸収し、ごぼうのうま味との相乗効果でよりおいしくなります。
組み合わせるのにおすすめの食材は、ウナギやアナゴ、ノドクロなどの脂がのった魚介、牛肉や鶏肉など。一緒にホイル包み焼きにすれば、簡単にご馳走が作れます。ぜひお試しくださいね。
むかないで!皮にはうま味と香りがたっぷり
ごぼうの香り、うま味は皮に詰まっています。
ごぼうの外側には、成長に欠かせない細胞が集まっており、グルタミン酸などのうま味成分が豊富。なるべく皮をむかずに調理しましょう。
表面の泥を落とす程度に洗う、もしくは、丸めたアルミホイルでさっとこする程度に洗うのがおすすめです。
スーパーには、土付きごぼうと、土をきれいに洗い落としてある「洗いごぼう」が売られていますが、香りやうま味を堪能するなら土付きのごぼうがおすすめです。硬くしっかりしたもので、ひげ根が少ないものを選んでくださいね。