野菜はじっくり焼くことで、素材の持ち味が引き出され、凝縮したうま味を楽しむことができます。
最年少野菜ソムリエプロとして活躍する緒方湊くんに、焼いておいしい旬の野菜と上手な焼き方を教えてもらいました!
カブが大根よりやわらかい理由とは?
カブは、煮ても焼いても、生のままでもおいしく食べられる根菜です。
カブと大根は似ていますが、カブは大根に比べて皮も実もやわらかいですよね。その違いは、育ち方にあります。
大根は、文字通り“大きな根”を土の中へ伸ばして成長し、土中の菌や虫から根を守るために皮を厚くします。
一方、カブの実は厳密にいうと根ではなく、茎と根の間の「胚軸」が肥大したもので、土の表面(浅い部分)で成長するので、皮も実も硬くならずやわらかいのです。
カブから出る“スープ”まで楽しもう!
やわらかく甘いカブのおいしさは、“ホイル包み焼き”でさらに引き立てることができます。
ホイル包み焼きしたカブは、表面にハリがあり、中はトロっとジューシーに!
蒸す・煮るでは抜けてしまいがちな風味も凝縮されて、甘みとうま味をしっかり感じられるので、シンプルに塩だけでもおいしくいただけます。
カブからしみ出た水分“カブスープ”にも、うま味が溶けだしていておいしいです。このように野菜からでた水分も逃さずそのまま味わえるのも、ホイル包み焼きの良いところです。ぜひ残さず食べてくださいね。
[基本のかぶ包み焼きの作り方]
カブの中に含まれる水分でじっくり蒸していく“ホイル包み焼き”なら、大きめにカットしても、おいしさを閉じ込めながら火を通すことができます。
皮と実の間には栄養とうま味が豊富に含まれていますので、できれば皮ごとホイル焼きしましょう。皮の口当たりが気になる方は皮をむいてください。
①カブを1/2または1/4に、または丸ごとのカブに十字の切れ目を入れるなど、お好みの大きさにカットする。
※茎のつけ根は土がついていることもあるので、しっかり洗ってください。
②アルミホイルで包み、オーブントースターで約15分加熱する。
※カブの大きさによって加熱時間は変わります。
ちなみに、カブの実は淡色野菜ですが、葉は緑黄色野菜です。カルシウムはほうれん草の5倍もあって栄養が豊富!刻んで炒める、塩でもんで浅漬けに、味噌汁に入れるなどして無駄なく食べましょう。
◇湊くんおすすめの食べ方◇
厚切りしたカブに炒めたカブの葉を添えてステーキ風に。バーニャカウダにするのもおすすめです。
特に寒い季節は、ホイル包み焼きした野菜をバーニャカウダで食べるのがおすすめです!生野菜とはちがったおいしさを楽しめますよ。
東と西ではカブの特徴がちがう⁈
日本には80品種以上のカブがあると言われています。関ヶ原を境に、東日本では西洋種(小ぶりで表面がなめらか)、西日本では東洋種(中型から大型・葉や茎に毛がある)が作られています。いつも購入しているカブの産地や実、葉をチェックしてみると、西洋種か東洋種かがわかって面白いですよ。
その地域に根差した品種もたくさんあります。カブならではの風味をしっかり味わえるホイル包み焼きで、食べ比べも楽しんでみてくださいね。