野菜ソムリエ・緒方湊くんおすすめ「焼いておいしい旬野菜」⑩ニンジン
野菜はじっくり焼くことで、素材の持ち味が引き出され、凝縮したうま味を楽しむことができます。最年少野菜ソムリエプロとして活躍する緒方湊くんに、焼いておいしい旬の野菜と上手な焼き方を教えてもらいました!
β-カロテン豊富な緑黄色野菜の代表
ニンジンには、β-カロテンが豊富に含まれています。
その含有量は、緑黄色野菜の中でもトップクラス! ニンジンの英名“carrot”(キャロット)が、カロテンの語源になるほどです。
β-カロテンは、ニンジンのオレンジ色のもとになっている色素成分で、抗酸化作用や皮膚や粘膜を守る働きがあります。ニンジンを1/4本食べれば、β-カロテンの1日の必要量を摂ることができるとも言われているんですよ。
ホイル包み焼きで甘さが引き立つ!
栄養豊富なニンジンは、その栄養を逃さずに、そしてさらにおいしく食べたいですよね。
そこでおすすめなのが「ホイル包み焼き」です。
中はしっとり、そして甘さがぐっと引き立ちます!
ニンジン嫌いのお子様にも、ぜひこの甘さを体験してほしいです。
ちなみに、オーブンで普通に焼くと、薄いものは乾燥しがち、厚いものは中まで火が通らないこともあります。電子レンジは加熱しすぎると、中がカサカサに。茹でる場合は、せっかくの栄養が切り口から流出してしまいます(汁ごといただく料理であれば栄養もいただけます)。
ホイル包み焼きなら、簡単においしさも栄養も逃さずに楽しむことができますね。
[基本のニンジンホイル包み焼きの作り方]
①ニンジンは皮をむかずに、食べやすい大きさに切る(縦半分、4つ割り、乱切りなどお好みで)。
②オリーブオイルと塩をふってから、アルミホイルにぴったり包み、オーブントースターで約15~20分焼く。
※加熱時間はニンジンの大きさによって変わります。大きなニンジンを焼く場合は、軽くレンジ加熱しておくとムラなく焼けます。
※ローズマリーなどハーブをプラスしてもOK。
◇湊くんおすすめの食べ方◇
僕のイチオシは、バターです!バターの塩気がニンジンの甘さを引き立てて、本当においしいです♪ β-カロテンは、油と一緒に摂ると吸収率がアップするので、バターやオリーブオイルと一緒に焼くといいですよ。
ニンジンには皮がない?!
ニンジンは出荷前の洗浄時に、水圧で皮がむけてしまっています。私たちが皮だと思ってむいていたのは、実の部分だったんですね。
ニンジンのβ-カロテンは、実の中心より、外側の色の濃い部分に多く含まれているので、皮(実)をむかずにそのままいただきましょう。
また、ニンジンは軸の細いものを選んでください。芯が細く繊維質が少ないので、肉質もやわらかです。
甘みがおいしい!いろいろな品種
近年、ニンジンは品集改良が進み、甘みの強いものが増えています。
おすすめの一つが、沖縄のニンジンしりしりに使われる「島ニンジン(琉球ニンジン)」。甘みが強く、炒め物や煮物にもおすすめです。さらに、島ニンジンを改良した「金美ニンジン」は、鮮やかな黄色をしており、より強い甘みが楽しめます。
ほかにも、赤色をした「京くれない」は、ニンジン臭が少なく、苦手な人でも食べやすい品種です。“リコピン”がトマトの倍あるのも特徴です。
ホイル包み焼きには、いろいろな色のニンジンを組み合わせても楽しいですよ。自然の甘みをじっくり味わってみてくださいね。