野菜はじっくり焼くことで、素材の持ち味が引き出され、凝縮したうま味を楽しむことができます。
最年少野菜ソムリエとして活躍する緒方湊くんに、焼いておいしい旬の野菜と上手な焼き方を教えてもらいました!
秋~冬で味わいや食感が変わる?!
炒め物から煮物、揚げ物など幅広いメニューが楽しめるレンコン。甘みのある味わいはもちろんですが、“食感”も魅力ですよね。
レンコンの収穫は、9月頃に始まります。収穫されて間もない秋口に出回るレンコンは、あっさりした味わいでさくっとした食感が特徴です。晩秋から冬に近づくと粘りや甘みが増してホクホク食感になってきます。
さらに、レンコンは部位によっても食感が異なります。
カニの爪に似た1節目は、肥大する前の若い節なので繊維が細くやわらかでシャキシャキ食感です。3節目は一番最初に肥大した部分で硬めですが、でんぷん質を豊富に蓄えているのでホクホク食感。その中間にある2節目は、シャキシャキとホクホクの食感をあわせ持っています。
切り方や加熱方法の違いで食感も変化
繊維が縦に入っているレンコンは、縦に切ればシャキシャキ、サクサクとした食感に。
きんぴらなどの炒め物におすすめです。
ホイル包み焼きや煮物にするなら、繊維を断ち切る輪切りや乱切りがおすすめ。ホクホクの食感が楽しめますよ。
加熱方法によっても食感が変わってきます。
輪切りにしたものを焼くとシャキシャキに、煮ればホクホク、揚げればサクサクに。そして蒸せばモチモチの食感を楽しむことができます。
レンコンの水分で蒸し焼きされるホイル包み焼きは、シャキシャキ食感になりますが、加熱時間を長めにするとホクホク食感に変わります!
このように、レンコンは季節や部位、切り方や加熱方法で食感が変わりますので、お好みを探してみてくださいね。
◇湊くんおすすめの食べ方◇
食感が楽しめるようレンコンは少し厚めの輪切りにします。皮は輪切りにすれば気にならないので、そのまま使います!
加熱時間の目安は10~12分。味付けはシンプルにオリーブオイルと塩だけ。素材の味わいをしっかり感じることができますよ!
ずっしりみずみずしいレンコンを選ぼう
全体的にふっくらして、ずっしり重みのあるものを選んでください。重いものは、水分が多くみずみずしい証拠です。
ちなみに、レンコンの切り口が黒く変色してしまうのは、ポリフェノールの一種タンニンによるものです。切ってからすぐに加熱調理することで変色を抑えることができますが、気になる場合は、水にさらしてくださいね。
産地別レンコンの食べ比べもおすすめ!
国内シェア約50%を占める茨城県産のレンコンは、丸みを帯びた形とやわらかいのが特徴です。西日本では、細長い形が特徴の徳島産が多く出回っています。このほか、強い粘りが特徴の石川県の伝統野菜「加賀れんこん」、ねっとりもちもち食感が特徴の山口県の「岩国れんこん」などもあります。
産地や品種によっても味わいや食感に違いがあるので、食べ比べも楽しめますよ!